これまで、カメラトラッキングシステムのRedspyとシネマカメラSONY FX6の組み合わせを用いたバーチャルプロダクションの撮影を行ってきました。複数台のカメラでの撮影の場合にはUE内のバーチャルカメラやトラッキング無しの固定カメラで別パターンの画をつくる対応をしてきましたが、この度、レンズ交換が可能な旋回型カメラSONY FR7の動作検証を行いました。
FR7は2023年秋にファームウェアのバージョンアップで、FreeDプロトコルデータの出力に対応されました。この機能により、撮影中のカメラの向きや角度のデータをリアルタイムに外部システムに連携できるようになりました。文末に作業メモを記載します。
FR7を使用した最初のテスト撮影では、トラッキングカメラ2台を使用する対談配信をテストケースとしました。1台のFR7カメラで固定カメラ2台分の役割を果たすことができるPTZカメラの便利さを実感しました。また専用リモートコントローラの使用により、動きのあるショットでも安定した映像が確保でき、滑らかなカメラワークが可能です。
PixotopeとFR7の組み合わせでの設定について
FR7でFeeDプロトコルを使用するには、本体ソフトウェアをVer. 2.00にアップデートします。
FR7からは、パン・チルト・ズーム、フォーカスおよびアイリスのトラッキング情報を同期信号にあわせて出力することができます。メーカーのヘルプガイドに従い以下の設定を行いました。
- FR7準備some text
- ズーム対応レンズを取り付ける(各種スイッチの設定状態)
- 本体ソフトウェアアップデート Ver. 2.00
- Eマウントレンズのキャリブレーション作成
- ゲンロックを接続して、リファレンス状態を確認する(内蔵→外部(HD))
- カメラメニュー>Project設定:今回は29.97、1920Pに設定
- カメラメニュー>Monitoring >SDI out設定:1920Pに設定
- カメラメニュー>TC タイムコード接続端子はINのみ
- Webメニュー>Technical トラッキングデータ出力(設定入力)
- FR7とPixotopeの接続some text
- Pixotope Director> SETUP> Camera tracking>にてFR7カメラを設定する。some text
- Camera tracking protcol: FreeD D1、Camera Mountに計測値を入力、Lens trackingでEnable lens fileに✔を入れてから、Sony SELP 28135 compensated breathing.ctsファイルを選択
- Pixotope Director> SETUP> Routing> 映像入力、トラッキングデータ(TRK)、映像出力を追加し設定する。TRKではFR7で設定したIPアドレスとポート番号を入力する。
- Pixotope Director> SETUP> Syncing>今回はBuffersizeに設定する。
- Pixotope EditorでLaunchしてカメラ映像がPixotopeに入っていること、カメラトラッキングデータが届いていることを確認する。