VR-PHANTOM-LIMB-PAIN-TRAINING

VR下肢幻肢痛・幻肢イメージトレーニングシステム

「VR下肢幻肢痛・幻肢イメージトレーニングシステム」の公開にあたって

 カディンチェ株式会社では、2020年7月より、東京大学医学部の住谷昌彦先生、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住倫弘先生と共同で、バーチャルリアリティ(VR)を用いた下肢幻肢痛に関する共同研究を行っております。

 本研究では、幻肢痛(神経障害性疼痛)の除去を目的とし、バーチャルリアリティ(VR)を用いて四肢と姿勢調節に関する視覚等情報をインプットすることにより、運動系と感覚系の協応関係を再構築するシステムを開発し、2022年9月より患者様を対象とした実験を開始しました。今後も被験者数を増やし、さらなるデータの収集と分析を行う予定です。

 この度、本研究にて開発されたアプリケーションをより多くの患者様・医療従事者様に届けるべく、弊社ウェブサイトにて公開することとなりました。ご使用にあたっては、利用規約をご確認の上、お役立ていただければ幸いです。

【開発の背景】

 幻肢痛は四肢の欠損により運動系と感覚系の協調が破綻し、これが痛みの原因となることが示されています。本システムでは、健常肢の動きをVR内で幻肢にコピーし、視覚的に再現する手法を用いています。上肢の幻肢痛に関しては既に同様のシステムが存在していますが、下肢の幻肢痛に関してはこうした応用が行われていなかったため、弊社が開発に協力させて頂くことになりました。

 参考資料として、東京大学医学部附属病院・住谷昌彦先生と畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター・大住倫弘先生が共同執筆された「バーチャルリアリティ(仮想現実)機器の医療応用に向けて(医学のあゆみ269巻8号)」より一部を引用いたします。

"幻肢痛(神経障害性疼痛)の発症機序として、患肢についての運動系と感覚系の協調関係の破綻が考えられている。このような運動系と感覚系を改めて協調的に統合するためには、四肢に関する正しい視覚情報(映像)を入力することが最も効率的な方法である。このような視覚情報の提示方法として著者らは、鏡療法やバーチャルリアリティ(VR;仮想現実)を用いて幻肢痛治療を行ってきた。実際、鏡療法とVR治療のいずれにおいても、実在空間での健肢と仮想視空間での幻肢に同一の運動内容を実行させることによって、左右上肢からの感覚情報 が脳内で統合されて運動系と感覚系の協調関係が回復する結果、幻肢痛が緩和すると考えられる。"

【システム概要】

<アプリケーション概要>
・患者様の健肢にセンサーを付け、歩行様の運動や、フィットネスバイクを漕いだりといった足の動きに合わせて、さまざまなVR空間内のコースを移動できます
・VR内では健肢と幻肢が表示され、両足でサイクリング or 歩行を行っている視覚的フィードバックが行われます

<システム構成>
・Meta Quest(VRヘッドマウントディスプレイ・PCに接続して使用)
・VR動作要件を満たしたWindows PC(ゲーミングPC等)
・本アプリケーション
・小型フィットネスバイク(自転車漕ぎ用)
・Vive Tracker(足首に取り付けるモーショントラッカー)
・BaseStation(部屋に設置するセンサー)

<使用技術>
・治療プログラムに合わせた複数の空間・コースを3Dで構築。ゲームエンジン上に実装。
・トラッカーの運動を自転車の回転運動と同期させるシステムの開発

特許出願中:「疼痛治療支援システム及び疼痛治療用の画像生成装置」

【ダウンロード】

・ご利用にあたっては、必ず下記の利用規約の内容をご確認頂き、遵守ください。
・本アプリは現状の形で提供されるものです。本アプリの効能または効果、副作用・合併症については現段階で医学的に確定しておりません。本アプリのご使用に伴って発生した不都合・損害について、弊社は一切責任を負わないものとします。

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