デジタルツイン/ビジュアライゼーションについて
デジタルツインとは
デジタルツインとは、現実空間の情報を取得しサイバー空間内に現実空間の環境を再現すること(出典:総務省)です。
当社が取り組んでいる研究開発でデジタルツインに関するものは、地形や都市の3Dデータを活用して、そのデータ上に各種の動的なデータを配置して3次元で可視化するプロジェクトを特にデジタルツインと呼んで取り組んでいます。
都市環境というのは地形や建物だけでは成り立っておらず、そこに人間、各種モビリティ(自動車、電車、飛行機等)、自然環境情報、インフラストラクチャ的情報(電気、水道、ガス、ネット等)、動物など、いろいろな要素があり成り立っています。
それらもビジュアライゼーションとして含めることで、より情報量豊かなデジタルツインが出来上がります。
デジタルツインを作るためのジオ系オープンデータ
実世界のデジタルツインを作るにあたってまず最初に必要なのが、3次元の地形データかと思います。
地球の表面は凸凹しており、その凸凹の上に人工物が乗っているわけで、何よりもさきにその凸凹情報が基礎になります。
一般的に公開されている3D地形データとしては、日本国内のものとすると国土地理院が公開している5m標高データ(フォーマット:GeoTIFF、解像度5m)、海外・世界的なものとするとNASAやDoDが公開しているSRTMデータ(フォーマットTerrain Tiles、解像度30-90m(位置による))があります。
付加データについて
3次元の地形データの次に、その地形データの上に載せるべき都市・建物データが必要になります。
日本では国土交通省が公開しているProject Plateauが代表的な3D都市データ(フォーマット:CityGML)になっています。また海外ですとOpenStreetMap(フォーマット:OSM、PBF、GeoJSON、Shapefile等)も提供しています。
以上のような地形データ・建物データは、形状情報を示したものであり、表面の見た目であるテクスチャ情報は別に準備する必要があります。
衛星写真を使う場合には、国土地理院、Maxar、OpenAerialMap, Landsat等の選択肢があり、地上から取られた写真としてはMapillaryやOpenStreetCamなどがあります。
上記により、ある実空間の形や見た目を再現するデータが集まったわけですが、それら建物等の説明であるセマンティック(意味データ)などもProject Plateauなどでは提供されています。その建物が何の建物で、何階建てで、どのような人が入居しているかなどの情報もメタデータとして保持されます。
カディンチェが出来ること
- 3D地形データ・3D都市データを用いたPC / VRアプリケーション開発
- 3D地形データ・3D都市データとその他交通、人流、自然情報等をマッシュアップしたアプリケーション開発
- デジタルツインアプリケーションを用いた各種シミュレーション・ビジュアライゼーション
事例
NICTプロジェクト
Beyond5G機能実現型プログラム/ShonanFutureVerse
カディンチェでは、NICTのBeyond 5G研究開発促進事業「ShonanFutureVerse:仮想都市未来像にもとづく超解像度バックキャスティングCPS基盤」に取り組んでいます。
機関間連携・各種情報統合を行うことで、以下のようなデジタルツインアプリケーションのプロトタイピングに取り組んでいます。
- ゼンリンデータコム:3D都市データ(オープンデータより高解像度・高網羅度)
- アイ・トランスポート・ラボ:交通シミュレーションデータ(幹線道路での車両の走行データ:車両ID, 車両種別, 時間, 位置)
- 東京大学:人流シミュレーションデータ(緯度経度・人数)
- 京都大学:水害シミュレーションデータ(緯度経度・浸水量)