2015年現在、VRヘッドセット製品としてはOculusが最も注目を集めていますが、Samsungの「Gear VR」の一般発売に加え、ソニー・FOVEなども製品開発を行っておりVRヘッドセットの話題が続々と登場しています。今回は未発売ではあるがVRヘッドセットを開発しているソニー・FOVEについて最新情報を調査し、現在判明している情報をお届けします。既に一般発売されている「Gear VR」のスペックおよび実体験レポートなどはまた別の機会にご紹介します。
ソニーはプレイステーション4向けのVRヘッドセットディスプレイ「Project Morpheus(モーフィアス)」を開発しています。3月に実施されたGame Developers Conference2015(GDC)で展示されたプロトタイプでは、ディスプレイに5.7インチの有機ELディスプレイが採用されており、2014年に発表された開発版よりディスプレイ性能が向上しました。また、解像度は1920×1080(RGB毎)、視野角100度、リフレッシュレートは120HzとOculus Riftの製品版で予定されている90Hzを上回る描画速度となっています。描画の遅延性能の指標となるレインテンシーも18ms以下で低遅延を実現予定とのことです。
価格は非公表で、リリースは2016年前半を予定しており、プレイステーション4向けのゲーム開発者用プラットフォームを準備中との事です。今後どのようなソフトが提供されるのか注目したいと思います。
FOVE(フォーブ)は視線追跡機能を搭載したVRヘッドセットディスプレイを開発している日本のスタートアップです。FOVEは一般販売に向けてKickstaterで資金調達を開始しており、既に目標の25万ドルを達成しています。FOVEで特に特筆すべき点は注視している部分のみを高精度にレンダリングし、それ以外の部分は精度を下げ再生時の負荷を減らす技術が使われている点で、通常再生の約1/6の負荷削減となるとの事です。通常、Oculusを始めとするVRヘッドセット製品ではゲーム用で使う様なGPU性能に優れたハイエンドPCを使う必要があります。しかし、FOVEでは上述の技術によって再生時の負荷を軽減できるため、低価格PCでも快適なVR体験を行える可能性があり、一般ユーザーへの普及に期待したいところです。
スペックは5.8インチのディスプレイ、解像度は2560×1440、視野角100度以上、フレームレート90fpsの予定で、本体重量が400gとOculus Rift DK2の440gより軽量になるとの事です。
2016年春にはKickstarterでの出資者に製品を送付予定で、視線追跡機能を利用して、手や腕を使わず視線や瞬きだけでピアノを弾くユニークなプロジェクトも行われており、今後のデモコンテンツも含めて同社の動向が注目されます。