360度映像を撮影可能なPoint Grey社のLadybug 3を使用して、ライブストリーミングの検証を行いました。ハードウェア構成→使用機材、ソフトウェアの概要→配信→表示の流れに沿って、以下で説明します。
まずはライブストリーミングの撮影・送出に必要なハードウェアを準備します。当ブログの「VahanaVRによるパノラマ動画ライブストリーミング検証」を参考にして、以下の様なハードウェア構成にしました。
・LadyBug 3 : Point Grey社
・IEEE1394 ケーブル
・PC:マウスコンピュータ MDV ADVANCE GX シリーズ MDV-GX9530X2-SH
・インターフェースボード : Ti社製 XIO2213搭載 IEEE1394B-PCIE
・LadyBug3
LadyBug3は、6台の1600×1200ピクセルカメラが搭載されており、販売元のPoint Grey社から配布されているSDKを使用することによって6枚の画像をスティッチし2048×1024ピクセルの1枚の画像にすることが可能です。
・ffmpeg
ffmpegは動画のエンコードツールです。動画を指定したコーデックや解像度に変更したり、画像から動画を作成することが可能です。またOutput先をRTMPサーバーのアドレスにすることによってRTMPストリーミング配信も可能です。
LadyBug3で連続撮影し、ffmpegにピクセルデータを渡すことによってエンコードしRTMP配信を行います。ネット環境は無線では配信が不安定な状態となるため、有線での配信が必要となります。また、PCに外部マイクを接続することによって音声も同時に配信が可能です。なおffmpegは入力データから推測しある程度自動で適当なフォーマットにエンコードしてくれますが、推測できない場合や自分で指定したい場合はオプションで指定することでエンコードが可能です。
・コーデック : H264
・フォーマット : flv
・Output Size : 2048×1024 (pixel)
・Outputファイル名 : ここで配信先のサーバーのURLを入力します
・FPS : LadyBug3で画像を取得できる最大FPSが15FPSとなっているので、15FPSを指定します
上記できるのはパノラマライブストリーミングの配信(送出)までで、受信(表示)するビュワーは自分で用意する必要があります。当社ではまずはパノラマ動画共有プラットフォームであるPanoPlaza Movieのビューワーに対して配信を行うことで、パノラマ動画の表示を実現しました。将来的にはスマートフォンやOculus Riftのようなヘッドマウントディスプレイ(HMD)でも見られるように対応していきたいと思っています。
Ladybug3でのリアルタイムストリーミング配信をした場合、LadyBug3の仕様からFPSが15FPSが限界となっています。最近のカメラからすると少しFPSが低いように感じられますが、実際の映像を見た限りリアルタイムストリーミング映像としては十分なFPSだと感じられました。
本システムを利用した公開実験をVRコンソーシアムの2015年9月11日(金) 19:00〜21:00に開催予定のVRCクリエイターズ・トーク vol.2「VR時々放談 〜360°動画技術の現状と展望〜」の配信に利用予定です。配信URLはこちらからアナウンスがある予定ですので、是非ご覧頂ければと思います。
(執筆:柴原直也)