360度動画を手軽に撮影できるGiroptic社の360camが弊社に届きました。RICOH社のtheta sと画質・明るさ・歪み・画角の点で比較してみようと思います。今回は室内での動画において比較をしています。
まずは画質の比較です。両機材ともプロ用ではなく一般向けの商品で、GoPro等の複数カメラを使用して撮影した映像と比較すると画質は劣りますが、二つの間でも画質の差が確認できました。
上記の画像は動画の1シーンをキャプチャした画像です。見て頂いて分かるように画質においてはthetaの方が良く、360camでは画質の粗さが目立ちます。
続いて動画の明るさを比較してみます。
どちらもオートで撮影していますが、360camの方が明るく、現実の明るさに近いです。thetaはオートのままだと暗いですが、設定で露出を変えられるので、自分の好きなように撮影することが可能です。
パノラマ動画の最大の欠点でもある、スティッチング(映像の統合)の際に生じる歪みについて比較します。
両者とも少なからず歪みはありますが、360camは接合部分の歪みがかなり目立っています。加えて、360camは三つのレンズで撮影しているので、三つ境界線(歪む部分)で歪みがあります。もちろんthetaでも二か所の接合部分において歪みはありますが、少しずれが生じている程度です。
両者とも360度カメラというだけあって、すべての範囲を映せています。ただ、真下の位置において両者で違いが出ています。thetaは映せていますが、360camの方では意図的にロゴで隠しています。
もし真下の部分まで撮りたいのであれば、thetaのほうがいいでしょうし、真下に写りこむ撮影者や三脚が気になる方は、360camの特性を生かして隠すとよいでしょう。
それぞれのカメラの特徴として、アプリで連携してリモート操作できるという点があります。そこで、アプリの操作性においても比較してみます。
リモート撮影での撮影モードでできることが多いです。写真ではシャッタースピードやホワイトバランス、露出補正等の変更が可能です。またtheta +という画像編集特化型アプリもあるので、総じて自由度が高いという印象です。
シンプルで使いやすく、YouTubeへの共有がすぐにできます。ただシンプルなだけに、thetaアプリに比べると自由度が低いです。
360camでは、起動や撮影モード切り替えの時に、読み込み時間が結構かかりました。対してthetaはあまり読み込み時間がありません。360camで優れている点は、撮影したすべての写真動画を自動的にスティッチングしてくれるという点でしょう。thetaもアプリで閲覧する時は自動的にスティッチングを行ってくれますが、PCに移して360度に対応させる為に、パソコンのtheta用のソフトを用いる一手間がかかります。360camはアプリでも、パソコンでも、すべてを自動的にスティッチングしてくれるので、手間なくすぐに閲覧したり共有したりすることができます。
最後に、画質や歪みを重視すると、theta sの方が使い勝手がいいように感じました。しかしどちらのカメラも、360度カメラ初心者にとっては値段以上に価値のあるカメラだと思います。ぜひこれらのお手軽なカメラを使って、流行のパノラマ写真やパノラマ動画に挑戦してみてはいかがでしょうか。