先日、「ドン・キホーテ様がバーチャルツアー作成ツール、PanoPlazaの自社運用を本格的に開始-新店舗の空間をバーチャルツアー化し、社内で迅速に共有-」というプレスリリースを発表いたしました。Panoplazaはこれまで社外のお客様向けのPRツールやO2O(Online to Offline:実店舗への集客・送客)ツールとしての活用例が多かったのですが、上記事例は社内の「買い場作りを支える店舗演出や商品陳列などのノウハウを日本各地の店舗間で共有する仕組み」として利用頂いたのが特徴でした。社外向けがマーケティングツールとしたら、社内向けはマーチャンダイジングツールで、今回はPanoplazaがマーチャンダイジングツールとして利用されたことなります。
インストア・マーチャンダイジングとは店舗内で顧客の購買を高める科学的販売促進の方法で、ビジュアルマーチャンダイジングはその中でも店舗内における商品と顧客の接点を視覚的視点から検討・訴求する手法とのことです(はい、いろいろ調べました)。
売り場を作るにあたり、楽しい、見やすい、選びやすい、買いやすい、分かりやすい、触りやすい、清潔、豊富感があるなどは基本的な評価軸になります。また、店舗内を以下のような3分類にすることで、店舗全体で訪問者へのプレゼンテーション効果を最大化するそうです。
・ビジュアルプレゼンテーション(VP):ファサード、ショーウィンドウ、レジバック
・ポイントオブセールスプレゼンテーション(PP):プロモーションスペース、柱巻き
・アイテムプレゼンテーション(IP):ゴンドラ(プロパー棚:通常の商品棚)
こういった3つの場を作ることで、来訪者の心理変化を誘導し、購買決定に導きます。また、アイテムプレゼンテーションだけでも主力商品・準主力商品・補助商品や、価格訴求商品・シーズン訴求商品・新商品訴求商品・企画訴求商品等の分類があるなど、棚割り(プラノグラム)の奥も深いようです。
なるほど、こう見てみると店内を移動でき、視点も変えられるバーチャルショップはビジュアルマーチャンダイジング検討に有用そうです。パノラマ撮影の際には視点を来訪者の平均身長に合わせて、見え方をリアルに近づけるようにしています。
こんな重要なビジュアルマーチャンダイジングを感覚や経験だけでやっているわけはなく、やはり調べてみるといろんなツール・ソフトウェアが見つかりました。(日本語だとあまり見つかりませんが、英語でVisual Merchandising Tool等で検索すると出てきます。)日本のある会社では、表計算ソフトを使用したり、店舗に設置された監視カメラを使用したりもしているようです。ただ、実写のパノラマを使った例は見つからず、Panoplazaの今後の展開の可能性も大きそうです。訪問者の移動履歴のセンシング、POSデータと棚の関係解析、それらデータのパノラマ上へのマッピング・ビジュアライゼーションなどが出来ると、さらに進化しそうですね。
soko aoki