デジタル分野、リアル分野をシームレスにつなぎ、顧客ロイヤルティを獲得・向上させるための顧客接点として、新たに注目される「オムニチャネル戦略」。この戦略におけるバーチャルショップの活用についてお話をしたいと思います。
実店舗やテレビ、通販サイト、ウェブサイト、DM、ソーシャルメディア、携帯・モバイルデバイスなど無数の販売チャネルを通じて、顧客に最もあう形で買い物体験を再構築する戦略のことを「オムニチャネル・リテイリング(Omni Channel Retailing) 」と言います。
スマートフォンやタブレットPCの普及によって、消費者が好きな時に好きな場所で手軽に買い物を楽しめる環境が急速に整い始めた結果、小売業者は、様々な販売チャンネルを用意する必要に迫られるようになりました。ツイート、Facebookの「いいね!」などの情報と顧客リスト、過去の購買履歴、ポイントカードの会員情報を相互に照らし合わせ、最適なプロモーションキャンペーンを決定する一方、ネットと店舗内の両方の情報から消費者の行動を先読みすることで、在庫を管理し欠品の回数も減らすなど、商機を逃さず売上げへとつなげる努力をしています。
そんな中、販売チャネルの一つとして有効なのが、バーチャルショップです。まるで実店舗を歩いているかのような疑似体験ができ、お客様がお買い物をする時の「ワクワク感」を感じることで、実際の購入や来店といった行動につなげることができます。また、ショップ内の商品にタグ付けができるので、ECサイトとしてはもちろん、タグがクリックされた回数を追跡することにより、人気商品のランキングを作成したり、実店舗のディスプレイの参考にしたりすることもできます。更には、バーチャルショップ内にクーポンを配置するなどのコンテンツを工夫することで、実店舗への集客ツールとしての効果も期待できます。
ショールーミング化が問題視される中、昔ながらの接客やサービス、飽きない売場作りをベースに、いかにネット上での“体験”を来店客に提供し、その来店客をロイヤルカスタマー化していくかということが改めて大事になると思われます。一つのツールでありながら複数の方向からお客様にアプローチできるバーチャルショップ、オムニチャネル戦略の一つとして活用してみてはいかがでしょうか。
最新事例:園芸ショップ「サカタのタネ」様のバーチャルショップ