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バーチャルショップでデパ地下へ集客

2011
11

大丸東京様 バーチャル スイーツ ショップ

今年9月末に公開となった大丸松坂屋様の「大丸東京店 バーチャル スイーツ ショップ」。駅中という立地にあり、充実した商品を幅広い客層に向けて展開する同店のスイーツコーナーを、バーチャル ショップとして構築した企画コンテンツです。ネットショッピングサイトへの集客を狙って公開された同コンテンツは、公開から1ヶ月以上経った現在でもおかげさまで大盛況となっています。百貨店としては初めての取り組みで、また、デパ地下のように賑やかでたくさんの人が訪れる場所を撮影したのも初めてだったのですが、この時の撮影は色々な意味で面白かったし勉強になったので、記事にしてみたいと思います。

開店前の30分の制約

今回の計画では、大丸東京店スイーツコーナー全体の約半分、22店舗25地点の撮影をすることになりました。通常の撮影で特別な問題がなければ、撮影に要する時間は1地点5分程度。25地点であれば、大体2〜3時間で一通り撮影を終えることができます。そのため通常の店舗撮影では、開店前または閉店後の店内を撮影するようにしています。しかし今回は、ごく限られた時間の中で撮影する必要がありました。なぜならスイーツは生ものです。毎日生産工場から新鮮なスイーツが運ばれて来て、それを開店前に陳列するわけです。そして大丸東京店では、人気のスイーツは夕方になると大体売り切れてしまうそうです。そのため閉店後に撮影しようと思っても、ショウケースの中はがらがら。つまり、開店前の限られた時間内、しかも届いたスイーツがキレイに陳列された後に、素早く撮影を行う必要がありました。いろいろと調整して頂いた結果、デパート開店前のあるタイミングで30分間、撮影のお時間を頂けることになりました。

撮影の工夫

30分間で25地点のパノラマを撮るのはさすがに難しかったので、撮影日を2日に分けました。また、当日の撮影を円滑に行うために、事前のテスト撮影も行いました。テスト撮影では当日のスケジュールを確認するとともに、店内の明るさやショウケースの照明、撮影地点の確認なども行いました。デパ地下はとても照明が多く、各店舗それぞれにユニークな装飾や陳列を行っています。照明や陳列の具合によっては、ショウケースへの写り込みで商品が見えなかったり、画像がぼやけてしまったりします。気になる箇所では、その部分だけ照明をつけてもらったり消してもらったり、色々とご協力を頂きました。また、商品の陳列についても事前確認が行われました。せっかくECサイトに商品があっても、バーチャル ショップで陳列されてなかったり、商品が隠れてしまってはサイトに誘導することができません。ECサイトで販売している商品は、なるべく目立つように並べてもらえるよう調整してもらいました。

活気ある開店前のデパ地下で撮影

お客様やご担当者の方々に様々な調整を頂いた上で望んだ撮影当日。商品が届き、スタッフの皆様が慌ただしく開店の準備を進めるなか、撮影が始まりました。ある程度予想していたものの、開店前のデパ地下の活気というか、慌ただしさというのは結構なものです。次々と運ばれてくる商品が丁寧に陳列されて行き、撮影の準備が整って行きます。あらかじめ決めていた順番で店舗を撮影していくのですが、ショウケースの周囲や撮影地点からの商品の見え方など、やはりその場での調整も必要になります。また、お店には商品の配達以外にも様々な人が出入りします。清掃を担当する方や、郵便を持って来てくれる方、店舗スタッフの方、フロア担当の方。上下左右360°のパノラマ写真というのはつまり、撮影しているカメラが見える場所にあるものは全てパノラマに写ってしまうということになります。そのため撮影時にはスタッフの方々に物陰に隠れてもらったり、一時的に通行を遮断したり、近くに写ると具合の悪いものを隠してもらったりと、てんやわんやの30分間でした。今回撮影のサポートに回ってくれた撮影隊のムーランが、「すいませんっ!今から撮影なんでっ!ちょっと隠れてもらえないでしょうかーっ!業務中にホントすいませんっ!」と叫び続け、たった30分間で声を枯らしていたのが印象的でした。

話題を集めたバーチャル スイーツ ショップ

そうして撮影から約2週間、晴れて「大丸東京店 バーチャル スイーツ ショップ」が公開されました。反響もよく、現在でもたくさんのお問い合わせを頂いております。今回のバーチャルショップ構築では、撮影の段取りや撮影時の工夫を重ねたことで、良いコンテンツを作る事ができたと思います。大丸東京店様や、ご担当の皆様のご協力のおかげです。また、普段何気なく訪れては買い物を楽しんでいるデパ地下の裏側を覗き見る事ができて、とても面白い撮影になりました。普段見る事のできない風景や、入る事のできない場所にいけるのは、撮影隊の醍醐味ですね。

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