先月、カディンチェのオフィスにKinectが到着。Microsoft社のXbox360用に発売された入力デバイスですが、RGBカメラ、赤外線による深度センサー、マイクロフォンが搭載された次世代デバイスがわずか150ドル程度で手に入るとあって、発売から約半年、世界中のエンジニアがこのデバイスをハックして、面白い取り組みが次から次へと世に出るようになってきたところ。
たとえば、Kinect発売当時から様々な作品を紹介するhttp://kinecthacks.net/では、アーティスティックな作品からおバカな作品、ビジネス向け作品や野心的な作品まで、ありとあらゆるKinectを活用した新しい取り組みを動画でみることができます。
マウスやキーボードを使わない「フィジカル・コンピューティング」という言葉は、多分僕が大学生くらいだから8年前?、くらいから頻繁に聞かれるようになった言葉。「人に優しいコンピューティング」「直感的な操作」「デバイスを意識しない」「人間の脳とコンピュータのシームレスな連携」云々。。。僕なんかがそういうキーワードを聞いて連想するのは、「攻殻機動隊」や「電脳コイル」の世界で、すぐにSFチックな妄想に行き着いてしまうのですが、そういった世界の一部分が少しずつ実現され始めている。その中のひとつとして、Kinectを使った新しいチャレンジが注目されているのです。
そんなKinectですが、当然うちのエンジニア達から見ても魅力的なデバイスだったらしく、ことあるごとに「Kinect 触ってみたい」「Kinect で遊んでみたい」「Kinect..Kinect…」という言葉が聞かれるようになりました。そして先月、弊社青木が「え?Kinectってそんなに安いの?」ということに初めて気がつき、「よしお前ら、そんなもの10個くらい買ってやる!」てな感じでビシッとご発注。晴れてKinectいじりが始まったわけです。
まずは大体の使い方を習得して、デバイスとしての精度を確認、その後いろいろな実験を繰り返し、この1ヶ月間でだいぶ。。。見た目も汚れた。。そろそろKinect活用の方向性を定めて、具体的な企画を考えてみようかな、というところです。
カディンチェにとってKinectの何が魅力的だったかというと、前述した「フィジカル・コンピューティング」の簡易的な実験がまずひとつ。それから、従来から弊社内で開発している「3次元モデリング」の「3Dスキャン技術」をベースにした応用的活用を試してみたいという点がありました。
「リアルとサイバーの融合」を考える上で、「どこまで実空間の情報をサイバー上に再現できるか」という点と、そのサイバー空間と人間との接点を、「どこまでリアルの感覚に近づけられるか」という点が当面の大きなテーマです。
デモや今後の実験結果などを、今後Webで紹介していきたいと思います。今日はまずひとつ。先日「プラザスタイル カンパニー」様にてご採用頂いた弊社新サービス「パノラマ・ヴァーチャル・ショップ」ですが、現在Kinectによるジェスチャー操作を試しているところです。以下の動画は、手の動き(手を振る、とめる、前に突き出す など)だけで画面を操作できるようにしたサンプルです。もっと日常的な動作でヴァーチャル空間を操作できるようになれば、今よりずっと奥深い没入感を実現できるのでは。。。「ヴァーチャル空間」+「フィジカル・コンピューティング」に関する研究にも、今後取り組んで行きたいと考えています。