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ヴァーチャルツアーの営業を振り返る – その2 -

2011
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こんばんは、青木崇行です。

 前回の記事では、ヴァーチャルツアーというサービスを主に不動産業界に営業展開しようとした際に、私たちなりに感じたことや学んだことを書いてみました。確かに、ネットサービスが浸透している賃貸物件の情報サービスなどでは、ヴァーチャルツアーの導入は難しいでしょう。しかし逆に、以下のような業種では、可能性がありそうだということもわかりました。

売買中古物件・海外物件

 賃貸物件と比較して、中古の売買物件でしたらある程度の広告宣伝費をかけることが可能です。ここで敢えて「中古」とつけた理由は、新築物件では物件の建設時にすでに販売を開始、完成した頃には買い手が決まっていて、ヴァーチャルツアー等の撮影が入るタイミングがほとんどないからです。従って、既に建物が建っている中古物件であれば、ヴァーチャルツアーの撮影・掲載も可能です。
 また、特に潜在顧客がなかなか見学に来れない遠隔地(海外)の物件ほど、ニーズが高いと感じています。本来は、物件を直接見に来て頂かなければ不動産の売買は成立しません。しかし例えば地方に居ながら、引っ越し先である東京の物件を探す場合など、ユーザにとっては物件をより詳しく吟味して、実際に内見する物件を選ぶ事ができます。売り主にとっても、アプローチできる顧客層が広がるのではないかと考えています。

オフィスビル

 オフィスビルの場合は、撮影したコンテンツをウェブ上でお客様に公開するだけでなく、管理会社側で物件の社内管理用として利用するケースがあるようです。つまり一度作成したコンテンツが2つ以上の目的を持ったり、複数のユーザに使われるため、相対的にコストパフォーマンスが高くなるということです。また、オフィスビルの借り手側も、その賃貸契約をするにあたっての意思決定者が複数存在し、その複数人で検討するにあたりウェブコンテンツが有効に利用されるといった例もあるようです。オフィス来訪者向けの案内板として、デジタルサイネージで表示しても面白いですし、商業施設の場合にはお客さん向けの「フロアガイド」にも活用してもらえそうです。各フロアにヴァーチャルツアーをベースにした館内検索システムがあったら、人件費も削減できそうですね。

ホテル

 ホテルは、一度撮影すると改装工事がない限りずっとコンテンツが活用できるという点で、費用対効果が最も望める業界の一つのようです。すでに楽天トラベルプラチナコレクションのように、館内・室内の360度画像が見られるようなコンテンツの普及も始まっております。こういったコンテンツは、ホテルの優美さや雰囲気の良さをアピールするのに適しています。
 出張、旅行に限らず、近年の私たちの世代では、ホテルや旅館の予約をネットで行うケースがほとんどではないでしょうか。ホテルや旅館の写真、料金プラン、立地など様々な情報を確認し、予約を入れます。そしていざ現地に行き、当日部屋に案内されるまでは、なんとなく不安な気持ちなのは私だけでしょうか。ネット上の写真は限定的で視野も狭く、情報量が少ないため、「写真写りは良かったけど、本当はボロボロの部屋だったらどうしよう。。」と心配してしまうのです。パノラマ写真やヴァーチャルツアーであれば、良くも悪くも「現地の本当」に近い姿を伝えることができます。最初から「ここは悪い」と分かっていればがっかりすることもないですし、「ありのままを伝える」方がユーザにとってはありがたいサービスだと思います。

 弊社では3D計測を含んだ3Dモデル内のヴァーチャルツアーと、パノラマ写真による廉価版ヴァーチャルツアーの二つのラインアップご提供しております。これらの考察は、後者のパノラマ写真によるバーチャルツアーでは現実的になりつつありますので、現在は3Dバーチャルツアーの制作コスト削減に努め、世の中に普及するように研究開発を進めています。

 世の中もっと便利に、もっと面白くなるはずです。様々な業界の方のお知恵を借りながら、色々な事業にこのサービスを活かして行きたいと考えています。

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